オトナの社会見学Vol.1 浜野製作所、サトウ化成

皆さん、こんにちは!テックショップの高谷です。先日開催させて頂いたオトナの社会見学会をレポートさせて頂きます。

2019年9月21日に開催したオトナの社会見学は、普段は見る事の出来ないモノづくりをはじめとした様々な企業や工場に出かけて実際の加工現場を見てみようというオトナのための社会見学会となります。

テックショップでは、会員コミュニティの場として毎月「Monthly Frolicの会」(非会員の方も参加可能)を開催していますが、今回はその野外活動バージョンということで、オトナの社会見学という会を新たに開催しました。

第1回目の今回は、会員、非会員の方あわせて総勢13名で見学先となる「浜野製作所」「サトウ化成」の2つの会社を見学させて頂きました。

集合場所である八広駅に集合、徒歩で1社目の浜野製作所へ向かいます。

赤い色が目印の浜野製作所。この一帯に何棟か建物があり、それぞれ異なった加工が行われています。

開催当日は土曜日でしたが、皆さん作業されていました。まずは、浜野製作所さんにあるガレージスミダにて、会社にまつわるお話を伺います。

浜野製作所の成り立ちから金属加工業の工程まで、熱心にご説明頂いているのは、浜野製作所 経営企画部の佐藤さん。

一口に金属加工と言っても、多くの工程に枝割れしていることが分かります。
30分程度ご説明頂いた後、では実際にモノが作られている様子を見ましょうということで見学スタート。

精密板金加工場をご案内頂いたスタッフの長島さん。

まずは、様々な加工機が並ぶ本社の精密板金加工場へ。
限られたスペースの中に大小さまざまな加工機械が設置されている風景を見て、皆さん、部屋に入るとともに目がきらりと光ります。大型の加工機を前に、装置についてや加工方法を説明して頂いているのは、スタッフの長島さん。
新しい案件などの加工相談なども柔軟に対応されつつ、ご自身もモノづくりが好きで色々と工夫してモノづくりされています。

こちらは、長島さんが作られた名刺ケース。
表は、基板、裏面は金属を板金で曲げて作られています。金属板と基板の組み合わせ方にこだわりを感じる男前なデザイン。

長島さんの説明を聞きながらも、その間も他のスタッフの方々が金属を加工される音が響きます。黙々と加工されている姿が印象的でした。

規則正しい金属の音が響きます。

次に案内頂いたのは、機械加工の部屋。説明頂いたのは宮本さん。
ワイヤーカット放電加工機や、自動金属旋盤など本格的な機械が設置されています。 設置されている機器でどのような加工が出来るか説明して頂いています。
皆さん、加工サンプルを見ながら真剣に聞いていらっしゃいます。

機械加工の部屋をご案内頂いたスタッフの宮本さん。

こちらは、プレス加工の部屋。
プレス機は、加工サイズに合わせて使用するサイズが異なる為、プレス圧ごとに異なる機械が並んでいます。
加工サイズが大きなものは金型も大きくなり、金型をセットするだけでも一苦労な感じがあります。
ご説明頂いているのは、角屋さん。とてもユーモラスな方で、かつての浜野製作所のお話や、プレス加工という単調ながらも神経を使う作業をどのように進めていくかなどについてお話頂きました。

プレス加工の部屋をご案内頂いたスタッフの角屋さん。

最後にご案内頂いたのは、金型工場の部屋。こちらで様々な金型が作られています。
金型の使い方を説明頂いているのは、徳永さん。こちらの金型は手押しでプレスすることが出来ます。薄板をのせて、金型を上から押しつけて型どおりにプレスするのですが、その後、参加者の方々で実際に同じ作業をさせて頂きました。
うまくいったり、いかなかったりと皆さんワイワイと作業されているのは、やはりモノづくりに興味のある方々ならでは。ゆっくりやれば上手くいくというものではなく、素材にあわせた加工のタイミングが大切ですとのことでした。

金型工場をご案内頂いたスタッフの徳永さん。手押しプレス機を実演中。
手押しのプレス機。綺麗にプレスするのは、簡単なようで難しい。

浜野製作所の見学を終えた後、徒歩5分程度の場所にある2社目のサトウ化成へと移動します。
歩きながら、八広の町を見るとちらほらと工場があるのがわかります。また、近くにはなめし加工の工場もあり、町の中になめしの独特な匂いが漂っていていました。
黄色い建物が目印のサトウ化成に到着。

黄色が目印のサトウ化成。

出迎えて頂いたのは、サトウ化成 代表取締役の佐藤憲司さん。

サトウ化成 代表取締役の佐藤憲司さん。

所狭しと加工待ちの素材(ポリエチレン素材やポリウレタン素材)が並ぶ中、加工素材の違いについてや、素材を裁断する機械の説明をして頂きます。
まずメーカーから仕入れた素材を、大きなバンドソーを使用して加工サイズにカットします。

加工待ちの材料たち。ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォームなど様々な材料が保管されています。

次に、金型を専用のプレス機で素材に押し当てて、型抜き加工を行います。

大型の専用プレス機。

型で抜いた後を見せて頂いているところ。フォーム材が細かい帯状にカットされています。
こちらは、ラケットのグリップ部分に使われているとのこと。
素材が柔らかい為、厳密には「切り抜き」加工ではなく「押切り」加工させて抜いています。

型にあわせて細かい帯にカットされています。

お隣の部屋に移動して、今度は小ぶりなプレス機で加工の実演をして頂きます。
金型を下に置き、素材を上にのせて加工するタイプの機器。
こちらでも加工サイズに合わせて使用するプレス機は異なるとのことで、複数のプレス機が設置されており、連続しての加工が可能な送り機能がついているプレス機もありました。

クラシックなデザインの小型プレス機。

部屋には壁一面に様々な型が並んでいます。加工頻度によって型は保管されているとのことでした。
こちらが、抜き型。トムソン型といわれるベース板(主に合板)に刃物を曲げて差し込んだ型を使用します。枠上になっているのが、金属の刃になります。
刃の内側には刃を保護する為にポリエチレンフォーム材(オレンジ部分)がはめ込まれています。

使用されている金型。

カットするのは、フォーム材だけではありません。こちらは粘着シートをカット。
フィルム素材や紙なども加工します。
また、裁断するだけではなく、ハーフカットやラインをいれたりなど型の押し当て方次第で様々な加工も行えます。

粘着シート材をカットしたところ。
こちらはハーフカットされたウレタンスポンジ。

最後に見せて頂いたのは、大型の卓上型カッティングプロッター。カッター刃とミル刃の両方がついており、厚みも50㎜まで加工できます。
昔ながらのトムソン加工(トムソン金型を用いてプレス加工する方法)とは違い、金型を使用しない為、加工数や形状によってはこちらのプロッター加工をお勧めされるとの事でした。最近は、1点もの加工依頼も増えているそうです。また、試作加工の際は重宝されているとのことでした。
個人的には金型を用いたクラシックな加工方法に興味がありましたが、こちらでもデジタルファブリケーションの便利さを実感しました。

大型の卓上型カッティングプロッター。
カッティングプロッターで加工されたポリエチレンフォーム材のケース。

最後は最寄りのお好み焼き屋さんで、サトウ化成の佐藤さん、浜野製作所の佐藤さんを交えての懇親会。
各々、日本のモノづくりについて、ご自分が作られているものやお仕事について話つつ、たっぷり食べて飲んで解散となりました。

お好み焼きの鉄板を前に、何故かドローンのゴーグルカメラ体験。 実に楽しそうなオトナたち。

オトナの社会見学は、テックショップとテックショップ会員の方、また今回ご協力頂いた浜野製作所の佐藤さんとの繋がりによって企画された会となります。 第一回目にご参加頂いた皆様からも、実際に加工の現場を見ることができるのは貴重であるというお声や次も開催してほしいというお声を頂きましたので、ぜひ今後も継続していきたいと考えております。
ご参加頂いた皆さま、今回ご案内頂いた浜野製作所さま、サトウ化成さま、ありがとうございました!

【今回ご協力いただいた企業】

■浜野製作所: https://hamano-products.co.jp/
■ガレージスミダ:https://www.garage-sumida.jp/
設計・開発・OEM、精密板金・プレス・機械加工のエキスパート集団!
また、ガレージスミダでは、個人の方から法人問わず、アイデア段階で相談できるサービスを開始されています。

■サトウ化成:http://satokasei.com/
小ロットで幅広いニーズに応える型抜き加工やフッ素コートなどを得意とするメーカー。

この記事を書いた人

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